― 王都 ―[親書を携えた騎士が出て行ったあと、いつも側近くにいるはずのダークエルフを呼ぶ。果たして、闇妖精はすぐさま現れ跪いた。いくつかの連絡事項を申付けながら、思考は別のことへ向く。闇エルフが未だに身辺を離れないということは、イーシュトはまだあきらめていないということなのだろうか。稀有な白い闇エルフと、呪具を失ってもなお。ご苦労なことだ、と少し笑う。]