[そこにいたのは、氷竜軍時代に一緒に捕虜になったものから、海精軍にいたものたちの混合体。
先の戦いで命を張って力を示したことで、彼らとの間により結束を高められた。と思っていたが問題は別にある。
それはさきほどのウェルシュの裏切り行為を、特に現場で見ていた傭兵たちにとって軽視できる問題ではない]
元々今回の戦いは内乱だ。あちらの軍とこちらの軍とに知り合いがいる。同郷のものだっているだろうからな。
「後ろからばっさり斬られるなんて俺はやだぜ」
「まだあの嬢ちゃんはいい。身を投げ出したってだけなんだからな」
それでも迷惑だがな。あの時は運がよかっただけだ、下手したらこっちの死に直結する。巻き込まれ事故はごめんだ。
[まったくだとうなずく周囲の面々。今後さきほどのようなことがないとは限らない。その時も無事であるという保証は一切ない。]