―1日目・PM5:30・第三訓練場―
っ…しゃ!ありがとうございます!!
[身構えたよりはあっさりと了承の返事を得ることができ>>72、膝をつき嬉々として手を伸ばし背に触れた。柔らかな毛並みは指通りもいい。実家の犬よりも触り心地がいいような気がする。
そうなればもはや指で触れるだけでは我慢はできなくなり、さらに身を屈めて頬を毛の中に埋めていく。一応、飛びつくことはせずに加減はしたつもりだ。毛先が鼻を擽ってむずむずしたが、毛が長いせいだろう、と]
あー……しあわせ……。
[念願が叶ったが故か、鼓動が高まってくる。
気持ちが極まってか、呼吸の仕方すら忘れたように息も苦しい。
──そして、何故か全身が痒い気がする。肌が熱い。
自分の手が真っ赤に腫れて蕁麻疹が広がっていることに気付いた時には、すでにめまいまで起こっていて。
そのまま状況をまともに認識できないままに、ずり落ちて地面に倒れこんだ。
──両親が今まで絶対に猫を近づけてくれなかったのは、記憶にない幼い頃、同じことがあったからである。本人は、自分が猫アレルギーを持っていたなんて、知らなかったのだ**]