ウルケル海軍総司令官、ゲオルグ・ヒューベンタールだ。 当方に御用の向きありとお聞きしたが、よろしいかな?[無駄を省いた口調で端的に問い、笑みを向ける。名に聞こえた扶翼官、皇帝の片腕たる青年に興味もあった。いかな青年かと向けられた視線には、どこか明るい光と同居して重い刃の如き鋭さがある。] … あまり、良い話ではなさそうだ。[用向きは既に聞こえてはいたのだが。敢えてそう口にして、男は少し眉を上げてみせた。*]