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[王子の命を全うすべく、男は転移魔法にてベルガー島を立った。
真っ先に向かうのは己が一族の隠里。
カルト湖より奥深い森の中にある里で、男は勅命たる内容を一族へと伝える]
我らも立つ時が来た。
避難出来ず怯え暮らす者達の下へ行き、
王子の帰還と義勇軍が立ったことを伝えておくれ。
呼応するものが居たら纏め、カトワール南の森で合流。
私が戻るまで潜伏、体制を整えるように。
[一族の中でも男のように方々を旅していた者を中心に任を据え、王子の願いを彼らに託した]
魔軍と遭遇することもあるだろう。
だが怯まずに任を進めて欲しい。
王子が決起したことを伝えるのが、我らの最大の任務だ。
[一族には男が魔人復活の切欠となったことを伝えてある。
皆それを一族の問題と受け止めてくれたため、この任についても当然然るべきと受け入れてくれた]