― 霧の沼地 ―[ふる、と幾度目か、首を振る。混濁した記憶は、相変わらず酷い頭痛を伴って思考をかき乱す。樹海からの最初の脱出口でついた傷の痛みが飛んでいるのは、それはそれでありがたくもあるのだが]……味方。私に……御師様、以外に、そんなもの……。本当に、いるの?[今にも泣きそうな震えを帯びた呟きは、周囲の白に溶けて、消える。**]