[目の前に居るのに、ディーターがどんな表情をしているのか上手く読み取れなかった。]そう、分かんなかったわ。落ちて来たのは、本だったのね。ねえ、ディーターは。わたしはこんなんだから、どうする事もできないの。何かしようとも。どうせ、何も変わらないわ。[でも矢張り何処かでこの声を聴いた気がした。]