人狼物語−薔薇の下国

21 剣と想い ─少年たちの継承戦争─


白の剣士 ジークムント

― 回想:10年前 ―

[ 少女の名を知り、犬と思ったのが狼だとも教えられ、驚いたり怯えたりしながら、しかし、父の元へ引き取られたばかりで、友達と呼べる相手のいなかった彼にとって、それは初めての友との交流の始まりだった ]

そうか、ウェルシュは、お父さんを探しに行きたいのか。

[ そんな話が出来るようになったのは、数年が過ぎた後だった。
その頃には、内気だった少年も、厳しい仕付けと、母に恥をかかせまいという決意でもって、それなりに貴族の子弟らしい様子を身につけていたけれど、幼馴染みのハーフエルフの少女の前では、口調も態度もどこか砕けたままだった ]

じゃあ、いつか探しに行く時は、僕が一緒に行くよ。そしてエリザと一緒にウェルシュを守ってあげる。

[いつか二人で旅に出る、それは、貴族としての生活にどこか息苦しさを感じていた彼にとって、とても魅力的な思いつきで、妹のような幼馴染みを守るという誓いも、少年らしい純粋さで口にされた]

(81) 2013/07/10(Wed) 01:32:56

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