人狼物語−薔薇の下国

497 堕天の服従試験


漆黒 ベリアン

[声が届いてないはずはないだろうに、そして主人の寵を受けてない天使など、ここには一匹しかいないだろうに、その天使はだんまりを決め込んでいる。
それとも、本当に気づいてないのだろうか。
捨てられ、物のように渡される自分の立場に。

いや、翼が震えているのが見える。
恐怖に打ち震えているのだろうか、はたまた泣いているのだろうか。
その事は、今はどうでもいい。
かの者が自分のものになるのが先で、かの者の感情は二の次だ。


───どうせ悪魔というものは、天使に嫌われているのだから。

立ち上がり、彼の元まで歩みを進める。彼が反応するより早く、半ば強引に彼を覆っている翼を払えば、抜け落ちた羽が舞う。
露わになったその眼は涙で彩られてはいるが、涙滴になるほどではなく、だからこそ目を強調していて。
きつく結ばれた唇は、白くなっている。
その感情を殺している顔も、中に溢れる感情に満ちているからこそだと分かる]

(81) 2018/03/19(Mon) 11:55:51

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