[自身の天命石は肌身離さず、普段は服の下に隠れる様に首から提げてある。
誰の目にも触れぬ様、他者に肌を晒したことが無く、また自分以外の身体を見たことも無い。
それが本来の性を知らせぬ為でもあるとは、この時はまだ知らず]
今はまだ子供だから、大したこと出来ないけど。
…何時か大人になったら。
俺も、父様みたいな立派な長になるんだ。
一族の皆を、皆が住むこの郷を、…大事な人を護れる、強い男になるっていうのが、俺の夢なんだ。
………天命石のこともだけど。
夢のことも、郷の誰にも言ったこと、ないからさ。
兄ちゃん、誰にも言わないでくれな?