[甘い蜂蜜の風味と温かな湯割りが、冷えた身体を芯から温めてくれる。
シモンの優しさに感謝しながら、少しずつ口をつけていれば。]
あ。ヤコブさん、お疲れ様です。
[野菜を届けに来たらしいヤコブの姿が見えて>>71
笑顔で声をかける。
彼もまた、自分に仕事を与えてくれる恩人の一人だ。
幼い自分に出来る作業など、たかが知れている。
それでも生活に困らずにいれるのは、仕事をさせてくれる村の皆と
自分の身を預かってくれるオットーのおかげだった。]
はい、では店に戻る前にそちらによっていきます。
ゲルトさんは……そういえば、寒くなってきたからそろそろ冬眠の準備だーみたいなことを、少し前に言ってましたよ。
[ゲルトの名が出れば、くすくすと笑みが零れた。
冗談めいたことを言いながらも、
居眠り好きな青年が村の皆から愛されていることは、
少年もよく知っている。]