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"二人で共に遠くへ旅を"
あまりにも出来過ぎた花言葉。
確かに自分は、あの時に死んだのだ。
宇宙へと飛び出した記憶も、抱き込まれた腕の温かさも、最後に伝えたかった言葉も。
全部、無かったことに……されるのか。
不要だと、切り捨てられるのか。
危険生物が見つかったからもういいと、感じた気持ちまで使い捨てにされるのか。]
……あはは、残酷にも程があるわよ。
[乾いた笑いがこぼれた。
ねぇ、スノウちゃん。だったら私も隔離してくれたらよかったのに。
軍上部から圧力でも掛けたのか、それとも未発症のガルーだから問題ないと判断されたのか。
そんなことは知らないし、興味もない。
思わず言ってしまいそうな言葉を押し込めて、その"いつも通り"の白い柔らかい毛を抱き上げ、撫でる。
こんなところは、本当に、普段のまま"いつも通り"であったのに……。]