やれやれ、真剣での手合わせなら、散々してきたろうに。[ 離された手首を摩りながら、肩を竦める。そういう意味ではない、と、解ってはいたが、これは照れ隠しのようなものだ。己の心臓に、本気で剣を向けるなど、自分でも御免蒙る。 ]誘い出すまでもなく、今頃は自分の腹心を連れて、援軍を名目にゼファーを船出している筈だ。俺がお前を暗殺した後、名誉の戦死を遂げた元首殿の亡骸を引き取り、凱旋する、そういう手筈でな。