[スノウが去れば、紫煙と一緒に息を吐いて、開いた携帯灰皿の上に葉巻を置く。
葉巻というのは実に難儀なもので、放っておくと火が消える。
つまり、ふかすのを一定時間やめていると、火が消えてしまうのだ。葉巻とは、本来そうやって火を消すものなのだけれど。
テオドールはよくもみ消して、葉巻の葉を灰皿の中にバラバラにしてしまっている。携帯灰皿の中に見えたバラバラの葉を見て、こんなふうにしててもかっこがつかないな、と眉を下げる。]
[どうして、“自分を許せますように”なんて書いたのだろう。]
[よくわからないけれど。]
[ごめんなさいと言われた>>1:270ような気がして。]
[そうでなくとも、何度もごめんなさいと>>1:267。]
[もういい。どうか、自分を許してあげて。]
[――違う。]
[謝らなきゃならないのは。]
[許されたいのは。]
[そうしたいのは。]
[“ワタシ”だ。]