全速前進!
[ 軍船までは、王国の旗艦の陰に守られるように戻り、女神の膝下たる月の舞台から、未だ戦神の支配する大地へと舵を切る。
王国の船が追ってくるかどうかには頓着しなかった。
どの道、ゼファーの船は風下に居る。すぐに追いつかれる事はない。 ]
船を捨てる。
全員退船の後、西方へ進軍。本隊との合流を目指せ。
[ 接岸後は、そう指示を下し、男自身は危急の場合に備えて船に乗せられていた軍馬に騎乗する。
乗せられる馬の頭数には限りがあったため、男に従う兵は10名だけ。小隊よりも尚少ない寡兵だが、それぞれが一騎当千の強者揃いではあった。 ]