[震える彼女の身体を抱き寄せる>>74
背に反対側の手を回して、落ち着かせるように撫でていれば
それに応えるようにして、彼女も腰に回した腕に手をあててきた。
此方の問いかけに「憶えている」と。
そう言ったあと、自信なさげに俯く彼女。
さらに此方が言葉を続ければ、しょんぼりと耳が下に垂れて]
…。
[さらに続けられた言葉を黙って聞く。
此方の悪戯にも、悲しげに眉を顰めるばかりで。
それでも、続けて投げた問いかけには、
確かに「好きだ」と、そう言葉が形作られる。
そうして、潤む瞳で頬に唇を押し当てられたあと、
おそるおそるといった体で、此方の背に手を回して抱きしめてきた]