[まさか目と鼻の先の応接室の場所をカークが間違える>>79とは想像もつかず、彼が反対方向へ向かおうとしたとは気づかなかった。]
はい、昨日海岸に落ちてました。
[中身は既に確認済で、聞きたいこともあったがそれは渡す時に聞こうと思いながら応接室の扉を開ければ、そこには誰かいただろうか。いたならば会釈をして中に入った。
横たわったユーリエは顔にハンカチがかけられていて改めて彼女はもう…と頭が理解する。
誰かに止められなければユーリエの近くまで寄り、黙祷を捧げた。
真実を見つけて、それが彼女の自分に向けた最期の言葉。
彼女にとって意味はない言葉でも、今はそれを胸の中で反芻する。]