人狼物語−薔薇の下国

525 ルー・ガルー戦記 11 〜カーマルグ半島帰属戦〜


元首 カナン

[駆けてくる彼を、身構えもせず待つ。
視線だけは鋭く相手の動きを、切っ先を追っていた。
その視線が、途中でわずかに酷薄なものに変わる。

刃が肉を食む寸前、僅かに重心をずらして身体の位置を変えた。
衝撃と共に血が飛沫き、濡れた切っ先が背中側へ抜ける。
だが肉を断とうとも深手には至らないラインは見極めていた。
幾度も死線を潜った経験で、体得した感覚だ。

内蔵に至らない傷など、傷のうちにも入らない。]

(80) 2019/11/05(Tue) 22:05:14

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