― 渓谷 高架橋 ―[目の前の光景には見覚えがあったかどうか。己が領土のとある場所に似ているようで、違うようにも思う。その曖昧な記憶が異変を感知させず、自領土を歩んでいるとさえ錯覚させていた]さて……橋を架けた覚えは───[木造の高架橋に蹄の音を響かせながら、橋の先を目指し馬を進める。その最中に浮かんだ疑問を口にするも、それは直ぐに途切れ。意識は索敵へと修正された]