― 5年前 ―
[元々、事件に好んで首を突っ込む性質ではない。
リヒャルトが無茶をしすぎれば諌める場面はあったかもしれないけれど、それはそれとして]
[ただしその日>>0:155の阿鼻叫喚の騒ぎはよく覚えている。
まだ学園に入って日が浅く、おろおろと見守るくらいしか出来なかったけれど。
リヒャルトはいつものように飛び出していって、犯人を追い掛けて――]
……ドロシー、ちゃん。
[それっきり戻ってこなかった、ひらひらのあの子。
あれだけの惨事を引き起こした相手を、まだこんな風に呼ぶ自分は、やっぱり甘いのだろうか]