― 天幕 ―ヨセフ、ええ、構いません。怪我の治療は終わりましたか?[ 天幕を尋ねた将軍を>>67男は一も二も無く迎え入れる。最初に確認したのが治療のことなのは、目に見える様子よりも重い怪我を無理して耐えていたのではないかと、案じていたからだ ]俺に兄上のような治癒術の心得があれば良かったんですが、どうにも魔法は不得手で。[ 苦笑を浮かべる男は、ローグの民にいる占師の老婆には、魂が強過ぎて魔法に馴染まないのだと言われていた。同じ理由で、未来が読めぬとも ]