[こほん、と咳払いをするカナン>>75を見て、これは些かフランクすぎたかと、肩に触れていた手を離した]
すまない。仕事柄、若い人と接することは多いんだけど。
ファーストネームを呼ばれることはないから、嬉しくてね。
[取りようによっては「子供扱いするな」と言っているような彼の言葉。
純粋で、綺麗だと思った。
慌てて密かに周囲を確かめる様子には、気付かない。
彼の金糸のように煌めく髪と、その奥に誂えられたかのように佇む美しい双眸の、碧を見ている。
青い瞳の写真は、装幀にも使ったことがある。 鳴瀬栖藍の「鼓動」シリーズは、…の手がける中で最たる著名作家のものだが、その2(5x1)巻目の表紙に、青と黄色のオッドアイの猫の写真を用いた。
けれど、今目の前にあるカナンの瞳は、猫のものとは全く異なる]