……え?[霧の中に見えた姿に、だらんとしていた耳がぴん、と立つ。それは丁度、カナンがこちらを見やる>>53のとほぼ同時か]……キリク、様?え、なんで、ここにっ……。[上がる声は、ぽかんとしたもの。自国の王であり、信と忠とを寄せる相手、見間違えるはずなどなく。その後は思いっきりぽかん、としていて、肝心の卵の話はするっと抜けていた。代わりに、背中に捕まった仔龍が神妙な面持ちで聞いていたが]