[テオドロス]
[神の贈り物]
[そんな豪華で身に合わない名前はここに置いていこう。]
[でもせめて、誰かに覚えておいてほしくて。]
[結局、いつでも自分のためだけに生きて来たようで。]
スノウ。
[白猫の名前を呼んで。
姿を現せば、伝言を頼むだろう。]
ガートルードをここに―機関長室に呼んでくれ。
今すぐじゃなくていい。暇なときで…いや、今は暇な時間なんてないか。
忘れてもいい。そんなに大事な用事じゃない。
思い出したら来てくれるぐらいでいい。
――全部終わってからゆっくり、でもいいぞ。
“ワタシ”はここにいるからな。
ああ、スノウも慌てなくていいぞ。
[大事な用じゃないのに、スノウに伝言を頼むのはハッキリ言っておかしな話だ。そんなことは、テオドールだってわかっている。ここを立ち去ったら、人を探しに来た者が困惑するのは目に見えている。]