ただ――…
[斜め下方へ視線を逃す。
ブランが勝つため、そういう前提での言葉にならぬ自分の発言に
その甘さに、苛立ちが募る。]
……情報を増やす為、ルージュと結託させぬ為、
カレルを吸血する、という手を私は厭わない。
残りの二夜を巧く利用し数で攻めるか
吟味に吟味を重ねた一夜に賭けるか。どちらでも、構わない。
[恐らくは狂った鑑定師であろうカレルを、楽にしてやるべきでは…
クレステッドの元へ送ってやるべきでは。
人間臭い感情が芽生えたてしまったのは、
淋しさを分かち合ってしまったからかも知れずに]