[ ギデオンの反応は、今度も素早く巧みだった。
何より男が感嘆したのは、今度は下がらず槍を往なすという最善手を、相手が選んだ事だ。>>67 ]
[ 奇襲に近い効果を持つ代わりに、一度は動きが途切れる跳躍からの一閃と違い、疾駆からの一撃は、敵が下がれば直ぐに刺突の追撃を入れる事ができる。
それ故、下がる方が危険なのだ、と、ギデオンが意識していたかどうかは分からないが、最初の突撃を受けて尚、一歩も下がらず踏み止まる胆力は、ゼファーの古強者でも、そうは持たない。 ]
見事と言われると面映ゆいな。
[ まさに質量のみで押し切った形の一本だ>>69、と、男は苦笑を浮かべ、一歩下がって、ギデオンが再び体勢を整えるのを待つ。* ]