[ 大天使が怯んだと見えた、その瞬間>60目の前に黙示天使の翼が翻る、しかし構わず機銃の連射を続けながら、バルブのレバーを蹴って、そのまま地面を後退し、途中で180度の方向転換をしてから、離陸を敢行した。
通常の滑走をほとんど行わないまま離陸できたのは、片翼に変わった白い翼のおかげだ]
これも天の加護、か、だが…
[ 「お前達」でなければそれでいい…そう言い返す暇は無かった>>58
コンラートとて元は教会でシスターに育てられた子供だ、信仰心はむしろ他の兵より強い。
だから、唯一神や天使を頭から否定する気は本当は無いのだ。
ただ「彼ら」は…今、慈悲を口にしながら友や、部下、数多の罪なき子等の親兄弟でもあった兵達を無慈悲に屠った目前の天使達だけは、許せない。
理屈では割り切れぬそんな想いは、天使には理解の外だろう ]