―――――っ! あ! あああああ!
[実際は這い出るときに血溜まりの中へ手をついただけなのだが、混乱した頭ではその事には気づかない。
頭の中を占める疑念はただ一つ。
―――――自分が殺したのではないだろうか。]
嫌だ! オレは何もしてない!!
[これはきっと何かの間違いだ。
そう思いながら掌を親指全体を使い、赤を落とそうと躍起になる。]
違う、オレは何もしてない。
殺してない、殺してない…………――――。
[己に暗示を掛けるように、何度も何度も口にしながら擦る。
傍にハダリーが戻ってきた事にも気付かぬまま>>76>>77。]