[叶う限りの速度で移動し、夜闇未だ深い頃合いにデメララ周辺までたどり着く。
決行のタイミング――夜明けまでの間に休息を取り、その時を待った。
やがて訪れる黎明の時。
空の色が変わり、暁光のいろを映すその時が、反撃の始まり]
……始まるぜ。
[誰に言うでなく呟くのと、鉱山のすぐそばで音が弾けるのはほぼ、同時。
派手な光と、炸裂音。
炸裂音は増幅の魔法を得て大きく響き、それだけ聞いたなら派手な爆発音と大差ないもの。
夜明けの静寂を引き裂いたそれは駐留する部隊をざわめかせる。
駐留部隊の隊長も生産拠点を支える鉱山に何かあっては、と判じたか、急ぎ、部隊を向かわせるのが遠目に見えた]