…そんな大層なものじゃあないよ。 私は……死者を糧に力を揮う死神さ。[命潰える場に現れ、最期の灯火を吸い上げていく───。その様は周囲からは死神のように見えたらしく、快く思わない者からは度々その名で呼ばれた。時には魂を吸い取る者──吸魂者と呼ばれたこともある。男は自嘲気味に笑い、握り込んでいた左手をゆっくりと開く。手の中には薄桜と黒紅の小さな結晶がいくつか出来上がっていた] でも、これが無ければ私は術が使えない。 私の術は、想いを転換するものだからね。