―― 幕間 ・回想――
[>>0:507…――生きている姿の兄を見つけて、喜び安堵したと同時、反面、酷い恐怖と絶望をを覚えた。
生きているのに、自分の元へと戻って来てくれなかったのは、つまり、そういう事なんだろうと。
ここまで追い掛けたなら、今更臆病風など吹かせず、兄の意思などお構いなしに攫ってしまえば良かったのに。
…それが、きっとチャールズの最初の過ちだった]
[屋敷に暮らす兄の姿に違和感を覚えるべきだったのだろう、しかし貴族の娯楽なんて自分にはとても理解出来ないものであると理解して居たし、着飾っていた兄はとても美しく、そして拒絶しているようには見えなかったから、詳しく調べるでもなかったのが、ふたつめ。
そう何度も屋敷の中に忍び込めるはずもなく。その後は、何処かへと連れ出される所を遠目に眺めていただけで、兄の身に降りかかった真実を知ろうともしなかったのが、みっつめ…]