[そんな思いを抱えて、正規軍に入り。
父譲りの剣術に、幼い頃の稽古で身に着けたものを合わせた我流の剣術を磨いてきた。
異国から来た元流離い人の身、色々と騒動を起こす事もあったが、ここに来てから発揮されるようになった明るさと懐っこさ、そして負けず嫌いな気質を持ってそれらを超えて。
父が太刀の往く先を託すと定めた人を護る事が己が誓いを果たす在り方、と定めて突っ走って来た。
だから、ここで立ち止まる事はできない、と。
そう、思いながら駆けた先で、耳に届いたのは──絶叫。>>0:321]
……っ!
今、のっ!
[声には覚えがある。
だから、迷わずそちらへと駆けて。
目に入った姿>>0:323に、言葉を無くしたのは──僅かな刹那]