―その前日、帰り道―
[シスターは教会に泊まるよう勧めてくれたが、無断の外泊はパメラを心配させるから。神父の提案を受け、冬の夕暮れを並んで歩いた>>2
交わす言葉のないままに暫く歩いていると、やがて雪のひとひらが、二人の上にはらり舞い降りてくる]
――あ、雪。
[呟いて空を見上げると、神父に『この村の雪には慣れたか』と問いかけられた>>4]
……この村の、雪ですか?
そう、ですね。皆さんのおかげで、慣れたと……思います。
[答えるリゼットに、いつの間にか神父の双眸が向けられていた。
思わず見つめ返してしまい、小さく息を呑む。
何故なら――笑みを湛える神父の、その瞳の奥は決して笑んでなどいなかったから。
自分と同じ偽りのそれを映して、リゼットの眸が瞬いた*]