ま、この状況なら、なんとか……。[こちらの位置は、街道を見下ろす崖の上。そして、獲物に夢中の野盗には気づかれていない。ならば、やるべきは簡単明瞭。愛用の長弓を構え、矢を番える。引いて、射る。動きを封じ、相手の戦闘力を確実に削げるよう、狙うのは足回り。迫る夕闇を物ともせず、放つ一撃は的確なもの。突然の射撃に野盗たちが色めき立つ様子に口の端をあげながら矢を放ち、半数ほどが膝を突いたタイミングで弓を置き、崖から街道に飛び降りた]