……かしこまりました。ご案内しますね。[乗客から案内をと頼まれれば>>54 はっとした様子で、にこやかな表情を作り、彼を見上げる。生まれつきか、よく陽にあたる生活ででもあるのだろうか。濃いような肌色に、ふと生まれ故郷の砂漠の人々を思い出した。色合は異なるが金色にも見える髪色に、ふわりと、懐かしい人の面影が脳裏を過る。親しみと同時に、胸奥を刺されるような鋭い痛みを覚えて、一瞬だけ、空色の瞳が揺れた。]