[けれど、司書は戻る気もあると言っていた。あの後で覆したならば、理由の一端には長と私の会話があるはずだ。少し考えれば、私にだってその利は分かる。分かるからこそ、私は止めるべき──だとは、思うのに]ファミル。[言葉で問えば、クララにも伝わってしまうから。明確な言葉は出さぬまま、司書の名だけを呼ぶ。私の不安が真実なら、これだけできっと、分かってしまうだろう*]