[ウォレン、という呼びかけに顔を上げれば、足元から離れていた狼が人間の姿になって別の1人と共に戻って来ていた。連れは、と見れば宿でちらと見かけた相手だ。信仰の体系も異なる故に、神父、という認識はない。] どうした、トール。[問いは「どうした」だが、ニュアンスは「どうだった」に近い。「気になる相手がいるので、少し構ってきます」と、心話で告げられていたからだ。]