[
……そして。
思い至る。
その痣の模様が、
……シレネの花にそっくりだということに。>>2:117
シレネには、『青春の息吹』という花言葉があって……それがあのピンクの小鳥にぴったりだと言った記憶はあったけれど。
……もう一つ、意味を持つことを知っていた。
『偽りの愛』 ]
ま、さか……
[……思い浮かべたのは、マーティン。
そして、『恋天使』というスノウちゃんの言葉。>>1:127
この二人が生贄なのだとしたら……。
『偽りの愛』をもってして、恋人にされているのだとしたら……。
本当の危険者は……。
当って欲しくない、こんな馬鹿げた予想。空想に決まってる。
でも、その一度思い浮かんだ考えは、脳裏にこびり付き、じりじりと嫌な焦燥感を募らせた。
引き攣った笑みさえも、浮かべることは出来ず。暫く呆然と、その場に立ち尽くしていたのだったか。]