あなたを殴っても私が痛いだけです。[タクマの覚悟をあっさりと切って捨てたのちに、彼の推測を聞いて薄く笑う。] あなたも私も度し難い、としか言いようがありませんね。 こんな戦場の真ん中で、敵の指揮官を信用するなど。[びくついたと白状する割には、そうは見えなかった。それだけ相手が豪胆だということだろう。敵手を信じ、動じることなく受け止める。そんな心意気を見せつけられた。これほど愉快なことはないと、心の雲が吹き払われる心地がしたのだ。]