[ざわり、と風が木々を揺らし。] 威勢のいい女は好きだよ。 まあ、だからこそ残念っちゃそうなんだけどな。[本心を包み隠し、笑顔すら見せながら軽口を叩いてみせる。そうでもしないと決心が鈍りそうで。相手がこちらを覚えていないのならそれでいい。こちらも相手の事は覚えていない、相手はただの敵。そうでなければならない、だから名前も呼ばない――否、呼べない。]