人狼物語−薔薇の下国

360 【RP練習】庭園ある館にて【人狼騒動村】


パン屋 オットー

[飢えに耐える為に、人である為に、自ら血を流すことが習慣になり、その傷が身体から消えなくなった頃。彼は帰って来た。
あの時は随分と浮かれていた、打ち明けることよりも只純粋に彼の帰還が嬉しかったのだと思う。
だからこそ伝えてくれた母親の話もろくに聞かずに店を飛び出してしまった。教会にいる、それだけが耳に残り「神父様になったのよ」その言葉が聞こえていなくて。]

[息を切らせ辿り着いた教会の扉を開けた時、そこに佇んでいた人が振り返った。
神父服に身を包んだその男の人は精巧なステンドグラス越しに陽の光を浴びて、“お兄ちゃん”と同じ色の瞳をしてこちらを見る。
その姿がどうしようもなく遠い存在に見えた。清らかで、何処か儚い、…獣とは対極の。
何も言わずに逃げ出すことしか出来なかった、この人はもう“お兄ちゃん”などではないのだと、この身に何が起きたのか話すことなど出来ないのだと悟って。
それから僕は笑うことも泣くことも出来なくなったんだ*]

(78) 2015/08/08(Sat) 21:05:27

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