[ 天の力と聞いて思い浮かべるのは、天龍湖の名の由来ともなった龍の事だが。 ]龍が逃げると言うのは、どうもしっくりこない。逃げているのが澱みとやらの方なら...さて、何がしたいのやら。[ 手がかりが少なすぎる、と考えたところで、切り立った崖が、眼前に立ち塞がった。無論、登ることは出来なくもないのだが。 ]少し休むか。[ ここまでを強行軍で来た自覚はあったので、ユーリエに、そう声をかける。 もしも、追いついてくる者があれば、話を聞いてみたいという考えも浮かんでいた。*]