― 西門付近 ―
[高らかに上がる土埃と音は、西門に誘い込まれた妖術師の軍団目掛け突っ込んでいく。
馬上で戦槌の柄を握ったチャールズは、異形を追い越し様に戦槌を振り下ろした]
ふんっ!!
[振り子のように右の馬腹を通っていく戦槌が大型の異形の横っ面を殴りつける。
右手に返る衝撃は強く、異形が戦槌の一撃を耐えたことを察した]
───硬いな。
昨日より手強いぞ。
[昨日妖術師が吐き捨てた台詞は強ち嘘でも無さそうだ。
ち、と短く舌打ちしながら、敵陣を駆ける間に戦槌での攻撃を繰り返す。
小物であれば吹き飛んでいく時もあるが、大型のものは総じて一撃に耐えていた。
ならば何度も叩くのみ、と馬首を返して再び敵陣の中を駆ける**]