― 回想:山岳地帯にて ― ありがとうございます。 これも王府の威光が、僻地であるこの地の兵達であっても姫巫女の兵である誇りを齎せているのでしょう。[ 機嫌を損ねるなという命は騎士団が訪れる前から散々言い渡されていた。決まりきったお為ごかしの台詞であっても、使わざるを得なければ使う。 心からそう思っているような声を出せればよかったが、そんな服芸は不得手であったので、固い言葉のまま礼を言った。]