[放たれた苦無は、狙い過たず海老の柔い腹を貫いた。 暴れる力を無くした海老を、船員たちが素早く仕留め回収していく。 あちらから飛び込んできた食材を無駄にする気はない、というのは、海に生きる者たちの共通認識だった] 手間取ったな。[軽く息を吐いたところで、風を切る音と共に、快音が響いた>>68。 視線を向ければそこには、見事に頭を貫かれた海老の姿があった。 矢の放たれた方向から推測すれば、それを為したのが誰であるかは明白で] ――お見事。[思わず感嘆と共に、そう呟いた*]