― 数日前・首都カルボナード ― ………ん。[ゲオルグの眉が不意に寄せられた。その場に居た政治家らが、少しぎょっとしたように此方を見る。構わずに眉間に皺を寄せ、席を立った。慌てたように制止する声が上がる。それへ、じろりと視線を投げやった。] ……。[お前さんらより帝国の皇帝の方が余程働き者だな。と、喉まで出掛かった言葉をどうにか飲み込む。代わりに告げた。] 急用が出来た。失礼する。[有無を言わさず告げて、踵を返す。]