― パン屋 ―
[無事に、と言っていいのか、配達の仕事は終わり、食材をパン屋の食糧庫に収める。
ふう、と一仕事終えたときに息を吐くのは昔からの癖だった。]
フリーデルさん、本当にありがとう。
力仕事得意なの、意外でびっくりしちゃった。
シスターのお仕事ってもしかしてすごく大変なの…?
[とてもきつい力仕事を連想する。教会の長椅子を移動させるフリーデルの姿が浮かぶ…。
勝手に心の中できつい仕事を課す神父のジムゾンを責めるところまで暴走したところで、木苺の籠が視界に入った。]
あっ、オットーのシフォンケーキ、フリーデルさんもどう?
食べたことある?すっごく美味しいの!