― 旅路の邂逅 ―
[故郷を離れての気ままな放浪。
その頃の主な収入源と言えば、農作業を手伝っての現物支給や日雇い人足など、凡そ国にいたままだったら知り得ないようなものが大半だった。
そんな中でもっとも実入りが良かったのが、いわゆる賞金首を狩る事。
その対象は旅人を襲う野盗や畑を荒らす害獣などが大半だったが、特に前者は危険度が高い分、実入りが良く。
その時も、宿場を目指す旅人や行商人を狙う野党団を狙って街道近くで張り込みをしていたのだが]
……あーらま。
これまた随分、多勢に無勢だねぇ。
[見つけた標的は、『お仕事』の真っ最中で、旅の途中とわかる商人を取り囲んでいた。
数は10人前後、腕に覚えがあってもちょっと厄介な数だ]