―村に至る途中の山道―
[暫く歩くと、車が通れるほど広い道に出た。
村の入り口を示す看板>>75を超える。
傷つき半ば光を失った右目を補うように、常に男の右側を
先行する犬が、ピクリと白い毛に覆われた耳を動かし、
立ち止まって後ろを振り返った]
フリーデ、どうした?
……お、この音は車か。ラッキーだな!
この先にあるのは例の村くらいだろうし…
よし、拾ってもらえるかもしれないぜ!
[笑みを浮かべて、パチンと指を鳴らす。
遠くに見えてきた車影>>76に向かって、
伸ばした腕の先、立てた親指を残して握った拳を掲げた。
万国共通の、「ヒッチハイク」サインである]