国外であれば、という、目算があったにしても、俺に直接手を降せと命じてきたところを見ると、あの古狐も相当焦っている。[ ゆっくりと、宥めるように手首を掴んだカナンの手を軽く叩き、短剣を引き取ろうとしながら、言葉を繋ぐ。 ]これは、好機だ。[ じっと、青灰の瞳が好敵手と呼ぶ男の瞳を見つめた。 ]カナン、俺を追放する気はあるか?*